ご相談です。ミニバス男子チームです。6年生のエースの選手がドリブルを始めると周りの選手がピタっと止まってしまい、レシーブする意識がなくなり、ほぼアイソレーション的なオフェンスになってしまいます。ドライブへの合わせ、スペースの理解からと思っています、どのような練習から行うとよろしいでしょうか?
要望の背景
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Sufu認定指導者の回答
皆さんこんにちは。
それでは今回も皆さんの質問に答えていきたいと思います。
今回のご相談は小学校のミニバス男子チームを教えている指導者の方からいただきました、ありがとうございます。
「ご相談です。ミニバス男子チームです。6年生のエースの選手がドリブルを始めると周りの選手がピタっと止まってしまい、レシーブする意識がなくなり、ほぼアイソレーション的なオフェンスになってしまいます。ドライブへの合わせ、スペースの理解からと思っています、どのような練習から行うとよろしいでしょうか?」
そうですね、6年生がやはり中心になってくるミニバス年代や中学生の年代もそうだとは思うのですが、基本的に経験値の差が非常に大きい年代かつ成長の度合いもかなり大きい年代になってくるため、エース的な選手が中にいると、その選手がボールを持ってプレーをしていき、周りの選手が止まってしまうというお悩みはよくあるかなと思います。
そういった場合に問題になってくるのは、その選手がパスを出せるかどうか、ボールをシェアできるかどうかという点と、仰って頂いているとおり周りの選手がその選手に頼ってしまって、プレーが止まってしまうという点だと思います。
投稿いただいている通りで、その選手がなにかプレーをやった時にどのようにして周りが合わせていくか、その選手がプレーしやすいように周りの選手がどのようなスペーシングを取っていくかは正解だと思います。
やはり問題になるのはボールをシェアできるかどうかだと思いますが、この選手に対してアプローチをし続けるのは結構難しいかなと、パスを出しなさいというのは難しいかなと思います。
やはり選手はプレーしたいため、自分が中心だと分かっていれば当然自分がボールを保持しながらプレーをすることに重きを置いてくるものだと思います。
チームメイトのためにパスをしなさいとなってくると、自分がプレーできるはずなのにという不満もやはり出てきてしまうので、こういった場面で手が打てる内容でいくと、オフェンス側ではなくてディフェンス側の設定を少しいじってみるのは一つの手段だと思います。
ディフェンス側の設定でいくと、例えばボールマンに対するプレッシャーを強くしなさいとなると、その場でずっとキープをしていることがかなり難しくなってくるのでそこからドライブを始めていく。あるいはヘルプのローテーションを早くしなさいとなると、ドライブに対して早めにローテーションしてくると。そうするとその選手一人で得点を取ることがかなり難しくなる場面が出てくると思いますので、その時に一番いいプレーは何だったのか、良いプレーとは具体的には「最後までシュートにいけるかどうか」「本数を確保できるかどうか」「確率が良いシュートが打てるかどうか」。そういった話をして自分がその場面で突っ込んでいくのが良かったプレーたったのか、あるいは味方にパスをしたほうが良かったプレーだったのかというように、味方のためにパスをしなさいというような形ではなくて、今その現場のプレーで一番良い選択はどれだったのかを選びましょうというような形でアプローチができると、選手自身も納得しやすいでしょうし、コーチ側からもアプローチがしやすくなると思います。
そうなってくると基本的に周りのプレイヤーもやはりボールを受けなくてはいけない、エースのプレイヤーが苦しんでいる時に周りのプレイヤーがボールを受けるためにはどうしたらよいのだろうか、ボールを受けるためのスペーシングだったり、動き方だったり、ディフェンスの振り切り方だったりがでてくると思います。
そういったものが出てきた時に、じゃあパスをさばいた後のプレーをどうしようかとか、今だったら正しい判断はどれだったのか?のような話が、だんだん膨らんでくると、選手としても納得のいく選択が出来るでしょうし、コーチからのアドバイスも受け入れやすくなってくると思います。
オフェンスを改善したい時にはディフェンスをいじってみる、ディフェンスを改善したい時にはオフェンスをいじってみるという視点を一つ入れてもらえるとドリルの幅も広がってくると思います。
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・ドライブが始まったらドリフトして合わせる
・パスのステップに対しては近づく
・パスを受けられる角度を使う
「バスケットボールの家庭教師」を運営している会社になります。
2004年に開始したバスケットボールの家庭教師事業は、2022年4月時点でコーチ70名以上、会員数1300名以上。
指導実績多数・各地講習会なども担当しており、「はじめてのミニバスケットボール」「バスケットボール IQ練習本」「バスケットボール判断力を高めるトレーニングブック」「バスケットボールの教科書1~4」など多くの書籍・DVDも監修しています。
【ERUTLUC代表鈴木良和コーチ JBA活動歴】
2016年U12ナショナルキャンプヘッドコーチ
2016年U13ナショナルキャンプヘッドコーチ
2016年男子日本代表サポートコーチ
2017年U12ナショナルキャンプヘッドコーチ
2017年U13ナショナルキャンプヘッドコーチ
2017年男子日本代表サポートコーチ
2018年U22日本代表スプリングキャンプアドバイザリーコーチ
2018年U12ナショナルキャンプヘッドコーチ
2018年U13ナショナルキャンプヘッドコーチ
2018年~2021年男子日本代表サポートコーチ
2021年~女子日本代表アシスタントコーチ