試合前のアップメニュー
要望の背景
試合前のピッチに入れる時間は前の試合のハーフタイムのみでそれ以外はゴール裏などで出来る試合前のアップメニューを教えていただきたいです。
Sufu認定指導者の回答
ご要望頂きありがとうございます。
今回は限られたスペースでボールを使用せずに行うことができる、サッカーの試合前のウォーミングアップに適したメニューを紹介いたします。
サッカーのウォーミングアップでは
①関節の可動域や個々の筋の活性を高める
例)静的なストレッチ、臀筋群のエクササイズ
②ベースとなる基本的な機能的動作
例)スクワット、ランジ
③競技の動きにより近い動作
例)ステップ、ダッシュ
④ボールを使用してサッカーの試合により近い動作
例)ボールポゼッション、シュート
という順に試合に最適な体の状態を作っていくことが望ましいと考えられます。
今回は、静的なストレッチや個々の筋肉のエクササイズ(①)を行い、
運動するベースができた状態で行うメニュー(②)を中心に紹介します。
特にサッカーでは、下肢の動きと上肢の動きをうまく連動して動かせることが重要です。
キック動作では片足での安定性+回旋の動き、相手とのコンタクトでは体幹をより安定させた状態で素早いステップや方向転換を行う必要があります。
それらのサッカーで起こる実際の動きの中から、重要な要素を取り出して一つ一つのエクササイズを行うよう意識してみてください。
また、ステップやダッシュなどの競技の動きにより近い動作についても、動画はありませんが紹介させていただきます。
15分ほどのメニューで、10mほどのスペースがあれば行うことができるため、ぜひ参考にしてください。
【ジョギング】
10mの往復の中で60%〜70%の速さでゆっくりと大きい関節の動きを意識して行う。
・ジョギング
・ジョギング+腕回し
・ジョギング+胸開き
・スキップ、バックスキップ
・サイドステップ
・カリオカステップ
・バックステップ
ジョギングで体が十分温まっている状態で行う
・足スイング前後左右
・股関節回し内→外/外→内
【ステップワーク】
マーカーを2足程度の間隔で5つ並べその先に4〜5mのところにもう一つマーカーを置く。
5つのマーカーをステップしたらもう一つのマーカーまで走り抜ける。
素早い足の運びと重心移動を意識しながら行う。
・1ステップ
・2ステップ
・横向き2ステップ(左右)
・シャッフル
・バックシャッフル
・アンクルジャンプ
・切り返し前後/左右
【スプリント】
15mほどの距離を100パーセントの力でスプリント
・2ステップ→スプリント
・2人組肩で競合い3回→スプリント
・2人組肩で空中競合い着地→スプリント
試合を行うことのできる環境(アップのスペース、時間、ボールの使用可否、他チームとの兼ね合いなど)によってウォーミングアップの内容は少しずつ変えていく必要があるかと思います。
今回紹介したメニューはあくまで一例ですので、よりチームにあったウォーミングアップを確立していっていただければと思います。
胸の開きを作ることによって回旋動作の向上、軸を安定させることができる
ウォーミングアップにオススメのダイナミックストレッチ
前の膝が90度曲がり、後ろの膝は地面に着ける
この際に肩甲骨から動き出すように意識する
膝の位置は常に正面を向けて、動かないようにする
目線は常に指先を追うようにする
膝は正面を常に向くようにする
体幹は下腹部を背骨に引き込むようにお腹をへこませるよう心がける
※フォームが崩れてしまうと効果が得られにくいため、動作の質を意識させる
胸の開きを作ることによって回旋動作の向上、軸を安定させることができる
ウォーミングアップにオススメのダイナミックストレッチ
前の膝が90度曲がり、後ろの膝は地面に着ける
この際に肩甲骨から動き出すように意識する
膝の位置は常に正面を向けて、動かないようにする
目線は常に指先を追うようにする
膝は正面を常に向くようにする
体幹は下腹部を背骨に引き込むようにお腹をへこませるよう心がける
※フォームが崩れてしまうと効果が得られにくいため、動作の質を意識させる
バランス力向上
内転筋の柔軟性向上
踏み出した脚に9割体重が乗るようにする
脚を伸ばしている側の内転筋がストレッチされるのを感じる
この際につま先と膝の向きを揃えるように意識する
・踏み込んだ際のつま先と膝の向きを揃える
・足、膝、骨盤の位置が一直上になるようにする
クロスランジ
・つま先と膝の向きを揃える
・骨盤が正面を向いた状態で重心を下げるようにする
体幹の安定性向上
内転筋群の柔軟性向上
お尻の筋肉の活性化・内転筋の柔軟性を高めウォーミングアップとしても効果的
この時膝が爪先より内側に入らないように注意する
この時お尻をキュッと引き締めるようにすると効果的
中級:10回 2〜3set
上級:15回 2〜3set
W-up:5回 1〜2set
膝が内側に入らないよう爪先と膝の向きを合わせる
お腹に力を入れ背筋を伸ばす
内転筋にストレッチ感を感じるまで深くお尻を落とす
上がる時にはお尻をしっかり締める
前からだけでなく横や別角度からも見て姿勢を修正しながら行うことが重要
股関節の動きを出すことで膝や足首の負担を減らしパフォーマンスUPにもつながる
スプリントの前のW-upにもオススメのトレーニング
この時膝の動きよりも股関節を大きく動かすよう意識する
腰が反ったり背中が丸まったりしないよう意識する
お腹に力を入れて腰が反ったり背中が丸まったりしないよう気をつける
腕の力は使わずに下肢の動きに腕がついてくるイメージで行う
ウォーミングアップに取り入れ、膝の怪我予防にオススメ
この際に少しだけジャンプするとより衝撃をかけることができる
膝とつま先の向きを揃えるように注意する
上肢と下肢の協働と分離
横方向への踏み込みからランニング動作へつながるエクササイズ
この時背中が丸まったり、骨盤が後傾しないよう注意する
下肢だけでなく上肢の動きもしっかり連動させることでランニング動作を意識する
股関節の屈曲・伸展を意識する
股関節屈曲・伸展のスムーズな動き
そう動作につながるエクササイズ
この時お尻を後ろに引くようにして膝は軽く曲げる程度にする
同時に後ろに伸ばしていた明日は屈曲して膝を胸に近づけるこの時背中が丸まったり、骨盤が後傾しないよう気をつける
最後の姿勢がスプリント姿勢のような形になる
股関節の屈曲→伸展を爆発的に行う
ニーアップの際は軸足側の骨盤を前に押し出すイメージで行う
代表の並木はサッカー日本代表としてFIFAワールドカップフランス大会、日韓大会、ドイツ大会に帯同。そのほかU-23日本代表のアスレティックトレーナーとして4度のオリンピックに帯同しており、U-17ワールドカップへの帯同実績もある。
また現在までにU-19サッカー日本代表、Jリーグ、各世代のサッカーを中心に、WJBL、社会人ラグビー、ソフトボール、モトクロス、卓球、陸上、アーティストなど様々な競技や分野にアスレティックトレーナーを派遣している。
さらには講演会やセミナー、専門学校などの教育機関に講師を派遣するなど後進育成にも力を入れている。
「一人一人の健康な人生をサポートする」を企業理念として掲げ、世の中の人々の『健康』をあらゆる方向からサポートし、一人一人の「楽しく、豊かに、生き生きと」生きる、そんな『健康な人生』をサポートしている。