俊敏性、切り返しの速さ、初速を伸ばしたい。シュートの足の振りを速くしつつ威力を高くするトレーニングがしたい。
要望の背景
一つ一つが遅くて相手に追いつかれるため。
Sufu認定指導者の回答
ご要望を頂き有り難うございます。
今回は1つ1つの動作の俊敏性向上につながる基礎的、機能的な能力の獲得を目的としたメニューとシュート能力の向上を目的としたメニューを紹介させて頂きます。
サッカー動作などスポーツの動作の素早さに関する能力をよくアジリティと表します。そのアジリティは方向転換やターンなどの局面などで求められる能力で、サッカーにおいてはもちろん重要です。ですが、基礎である体の使い方や重心移動などの機能的な能力がないまま動作の素早さを高めるラダーやステップのアジリティトレーニングを行なっても効果がなかなか得られません。アジリティを高めるためには身体の機能的な能力が土台に必要です。この土台のトレーニングを行ってからラダーやステップのトレーニングを入れると効果的です。申し訳ありませんが実際にグラウンドで行うアジリティのメニューは他の動画等を参照していただければと思います。
また、シュート能力もサッカーにおいて重要です。シュートの威力を強く、スピードを早くしようと思った時、下半身の特に蹴り足に目を向けて改善しようとすることがあります。ですが蹴り足だけに目を向けてしまうと、足への負担の割合が多くなり股関節などに痛みが出てしまう可能性もあります。もちろん脚の筋力は必要ですが注目して欲しいのは下半身と上半身の連動です。シュート動作に限らずサッカーのキック動作は軸足の安定と蹴り足の柔軟性加えて上半身が弓のようにしなることが重要です。そうすると足だけの力(筋力)に頼ることなく自ずとスイングスピードが上がりシュートの威力も上がります。
今回紹介するメニュー1〜6は体の機能的な能力向上のためのメニューです。前後左右方向への動きにつながる正しい体の使い方(体幹を安定させた状態での上肢と下肢の連動した動きと正しい体の使い方)を身につける事を目的にしています。
メニュー7〜10はシュート能力の向上のためのメニューです。上半身と蹴り足の柔軟性を向上させることと軸足と体幹を安定させたキック動作を身につける事を目的としています。
骨盤、股関節の可動性を向上するエクササイズ
骨盤を立たせることがしやすくなり、重心コントロールをスムーズにさせる
ウォーミングアップにオススメのダイナミックストレッチ
ハムストリングスの肉離れの予防にも最適
できるだけ臀部を高く上げるように意識すると良い
前脚で体重を支えるように、前脚に体重を移す
前脚の膝をできるだけ伸ばそうとすることで、大腿部前面(大腿四頭筋)の収縮を意識できる
体重はできるだけ前脚に乗せる
なるべく太ももと胸が離れないようにする
上肢・体幹・下肢の連動した動きの習得
尾てい骨だけ持ち上げる意識でお腹に力を入れて腰と床の間に隙間ができないようにする
この時腰が反らないように(腰と床の隙間ができないように)注意する
手・足の動きに合わせて腰が反りやすくなるため背中を床にしっかりつけるよう意識する
どうしても腰が反ってしまう場合は下のように少しレベルを下げて行うと良い
・足はスタートポジションから動かさずに手のみを動かす
・手のひらを床につきお腹に力が入りやすい状態を作り足のみで行う
また、薄いタオルやチューブなどを腰の下に入れ横から引っ張り、それが抜けないように意識することで腰が反るのを防ぐことができる
体幹と上肢・下肢の動作の分離と協働
呼吸を止めたりいきんだりせずに自然な呼吸を心がける
正しい姿勢をキープして行うことが重要
片脚立ちの安定化(中臀筋の活性化)
ウォームアップやトレーニングとして用いると良い
この際に、頭〜両膝の間が一直線上になるように姿勢を保持する
この際に、側腹部、両側臀部が収縮するのを感じる
背中が丸まらないようにしながら動作を行う
この際にバランスを崩さないように骨盤の位置をキープする
この際に腰が反りやすいため注意する
出来るだけ床面から骨盤を高く持ち上げ、その状態のまま上の脚を高く上げることが重要である
余裕が出て来たら時間を長くするのではなく、セット数を増やすようにする
正しい姿勢で行うことが重要であり、骨盤が下がっていたり、腰を反った姿勢のまま長い時間行えるように目指すことは逆効果となるため注意が必要である
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体幹の安定と上肢・下肢の連動の向上(全身の協調性)
正しいスクワットフォームの獲得
手は胸の前に脇を締めてスタートポジションを作る
この時膝が前に出過ぎないようにお尻を引いていくよう意識する
お腹に力を入れて腰が反らないように注意する
反対に腰が反りすぎるなど誤ったフォームにならないよう注意する
肩に力が入らないよう注意する
初級:5回 2〜3set (必ずフォームの確認をしながら行う)
中級:10回 2〜3set
上級:20回 2〜3set
まずは正しいフォームで行うようにして、慣れてきたらだんだんと回数・セット数を増やす
体幹の安定性向上
臀筋群の筋力強化
キック動作の安定化
この時足裏全体で地面を捉える意識を持つ
またボールの重さでも負荷を調整可能
「初級」=距離:近い/角度:小さい
「上級」=距離:遠い/角度:大きい
かかとから指先まで足の裏全体が地面についているよう意識する
お尻・お腹に力を入れできるだけ体幹を安定させた状態で上肢を動かす
胸椎の可動性獲得
ウォームアップやトレーニングとして用いると良い
肩が浮かないよう注意してだんだんと可動範囲を広げていくイメージで行う
ウォーミングアップにおすすめ
この際、立ち脚の膝を軽く曲げておく
骨盤が捻れないように、手を伸ばしてバランスを保つ
改めて脚を後方に引き、大腿部前面がストレッチされたポジションを作り、繰り返す
身体を倒した際に骨盤や上半身がねじれないようにする
左右の回旋方向にブレない軸を作る
ウォーミングアップとして行うのも効果的
もしくは2人組で行い1人が端を持ちテンションをかける
チューブを持つ手は胸の前から開始する
この時体幹がねじれたり膝がブレないよう意識する
お腹に力を入れて体幹がねじれないように腕を動かす
肩に余分な力が入り過ぎないよう注意する
初級:10回 1〜2set(チューブ弱)
中級:10回 1〜2set(チューブ強)
上級:10回 2〜3set(チューブ強)
余裕が出てきたら回数を増やすよりも、セット数を増やすかチューブの強度やテンションを上げる
正しい姿勢で行うことが重要であり、誤った姿勢・腰を反った姿勢のまま行うと逆効果となるため注意が必要である
回旋方向への負荷に対する体幹の安定性向上
さらに上肢は構えた方から逆側に素早くボールをふる
この時体幹が傾いたりバランスを崩さないよう注意する
骨盤と下肢は回旋方向の動きが入らないよう注意する
正しいフォームで行うことが重要であるため最初はサッカーボールなどの重量の少ないものを持って行う
代表の並木はサッカー日本代表としてFIFAワールドカップフランス大会、日韓大会、ドイツ大会に帯同。そのほかU-23日本代表のアスレティックトレーナーとして4度のオリンピックに帯同しており、U-17ワールドカップへの帯同実績もある。
また現在までにU-19サッカー日本代表、Jリーグ、各世代のサッカーを中心に、WJBL、社会人ラグビー、ソフトボール、モトクロス、卓球、陸上、アーティストなど様々な競技や分野にアスレティックトレーナーを派遣している。
さらには講演会やセミナー、専門学校などの教育機関に講師を派遣するなど後進育成にも力を入れている。
「一人一人の健康な人生をサポートする」を企業理念として掲げ、世の中の人々の『健康』をあらゆる方向からサポートし、一人一人の「楽しく、豊かに、生き生きと」生きる、そんな『健康な人生』をサポートしている。