一人一人で円になって体の使い方を感じながやるウォーミングアップから
戦術の練習に入るまでの運動のスイッチを入れるウォーミングアップを教えてください。
要望の背景
今回10日間チームに帯同することになり
高いレベルでのウォーミングアップ、コンディショニングを任された為参考にでも教えていただきたいです。
Sufu認定指導者の回答
ご要望を頂きありがとうございます。
今回は運動のスイッチを入れるということで
・体幹を安定させ四肢を動かす
・動きの中で動的なストレッチを組み込む
・筋肉に遠心性の収縮の負荷をかける
これらの要素をサッカーの動きを想定して行うメニューを中心に紹介します。
ランジポジションでのローテーション、逆側ローテーションはサッカーに多いターンなどを想定してスムーズに体幹を回旋させ、その際の下半身の安定などにも効果があります。
動的ストレッチはサッカーで筋肉系の怪我が多いハムストリングス・ふくらはぎ・大腿前面のストレッチを紹介しましたが、回旋動作が多いサッカーでは上半身、特に胸椎や肩甲骨周りの動きを出すことも非常に大切です。
片脚動作の多いサッカーにおいて立位を安定させる臀部の筋を活性化させることは非常に大切です。膝や足首の負担も減らし下肢の障害予防に効果的であると言えます。フロントブリッジの姿勢でのグルートアクチベーション(お尻の筋肉の活性化)は体幹と臀筋群を一緒に働かせる種目として紹介しました。
最後に筋肉に遠心性の負荷をかける目的でスクワット、サイド・クロスランジ・片脚デッドリフトを紹介しました。
運動前に筋肉が伸ばされながら収縮する負荷をかけることでハムストリングの肉離れなど筋肉系の怪我を防ぐため、また日頃の下肢のトレーニングとしても非常に有効です。
以上今回紹介させていただいたものは一例ですが、運動のスイッチを入れる、動きやすく怪我をしにくい体を作るというのはパフォーマンスアップや障害予防にも非常に意味のあることですので、ぜひ参考にしていただければと思います。
胸の開きを作ることによって回旋動作の向上、軸を安定させることができる
ウォーミングアップにオススメのダイナミックストレッチ
前の膝が90度曲がり、後ろの膝は地面に着ける
この際に肩甲骨から動き出すように意識する
膝の位置は常に正面を向けて、動かないようにする
目線は常に指先を追うようにする
膝は正面を常に向くようにする
体幹は下腹部を背骨に引き込むようにお腹をへこませるよう心がける
※フォームが崩れてしまうと効果が得られにくいため、動作の質を意識させる
胸の開きを作ることによって回旋動作の向上、軸を安定させることができる
ウォーミングアップにオススメのダイナミックストレッチ
前の膝が90度曲がり、後ろの膝は地面に着ける
この際に肩甲骨から動き出すように意識する
膝の位置は常に正面を向けて、動かないようにする
目線は常に指先を追うようにする
膝は正面を常に向くようにする
体幹は下腹部を背骨に引き込むようにお腹をへこませるよう心がける
※フォームが崩れてしまうと効果が得られにくいため、動作の質を意識させる
骨盤、股関節の可動性を向上するエクササイズ
骨盤を立たせることがしやすくなり、重心コントロールをスムーズにさせる
ウォーミングアップにオススメのダイナミックストレッチ
ハムストリングスの肉離れの予防にも最適
できるだけ臀部を高く上げるように意識すると良い
前脚で体重を支えるように、前脚に体重を移す
前脚の膝をできるだけ伸ばそうとすることで、大腿部前面(大腿四頭筋)の収縮を意識できる
体重はできるだけ前脚に乗せる
なるべく太ももと胸が離れないようにする
足関節(足首)と股関節の可動性、体幹・肩甲骨の安定性の向上させる
ウォーミングアップにオススメのダイナミックストレッチ
この際になるべく胸と床を離すように身体を持ち上げる
この際に、つま先を脛に引き付けるように脛の前側の筋肉(前脛骨筋)の収縮を意識する
この際には臀部(臀筋)の収縮を意識する
脚を上げた際には、腰が反らないように体幹に力を入れた状態で行う
胸と床の距離を遠くするように肩甲骨から床を押すようにする
ウォーミングアップにおすすめ
この際、立ち脚の膝を軽く曲げておく
骨盤が捻れないように、手を伸ばしてバランスを保つ
改めて脚を後方に引き、大腿部前面がストレッチされたポジションを作り、繰り返す
身体を倒した際に骨盤や上半身がねじれないようにする
臀筋群の活性化
腹部のインナーマッスルと臀筋群を同時に働かせる事で股関節や腰部の障害予防に繋がる
ウォーミングにもおすすめのトレーニング
この時腰が反った姿勢にならないようお腹にしっかり力を入れる
この時も腰が反ってしまうと腰背部の筋肉が優位に働いてしまうためお尻を意識する
いきんだりせず自然な呼吸を意識する
大きな動きを出そうとするよりもお腹とお尻にしっかり力が入ることが重要である
ウォーミングアップには片脚10回ずつ2セットほど行なうと良い
上肢・体幹・下肢の連動した動きの習得
尾てい骨だけ持ち上げる意識でお腹に力を入れて腰と床の間に隙間ができないようにする
この時腰が反らないように(腰と床の隙間ができないように)注意する
手・足の動きに合わせて腰が反りやすくなるため背中を床にしっかりつけるよう意識する
どうしても腰が反ってしまう場合は下のように少しレベルを下げて行うと良い
・足はスタートポジションから動かさずに手のみを動かす
・手のひらを床につきお腹に力が入りやすい状態を作り足のみで行う
また、薄いタオルやチューブなどを腰の下に入れ横から引っ張り、それが抜けないように意識することで腰が反るのを防ぐことができる
体幹の安定性向上
内転筋群の柔軟性向上
お尻の筋肉の活性化・内転筋の柔軟性を高めウォーミングアップとしても効果的
この時膝が爪先より内側に入らないように注意する
この時お尻をキュッと引き締めるようにすると効果的
中級:10回 2〜3set
上級:15回 2〜3set
W-up:5回 1〜2set
膝が内側に入らないよう爪先と膝の向きを合わせる
お腹に力を入れ背筋を伸ばす
内転筋にストレッチ感を感じるまで深くお尻を落とす
上がる時にはお尻をしっかり締める
前からだけでなく横や別角度からも見て姿勢を修正しながら行うことが重要
バランス力向上
内転筋の柔軟性向上
踏み出した脚に9割体重が乗るようにする
脚を伸ばしている側の内転筋がストレッチされるのを感じる
この際につま先と膝の向きを揃えるように意識する
・踏み込んだ際のつま先と膝の向きを揃える
・足、膝、骨盤の位置が一直上になるようにする
クロスランジ
・つま先と膝の向きを揃える
・骨盤が正面を向いた状態で重心を下げるようにする
体幹の安定性の向上
バランス能力の向上
ハムストリングスの遠心性の筋収縮によって肉離れの予防にも効果的
重りなしの場合は両手のひらを重ね、もも前→膝→すねと沿わせるようにすると良い
この時なるべく膝の位置は動かさず、なるべく膝を曲げないで股関節の動きを意識する
戻る時も同様に背中を丸めずに重りをなるべく体の近くを沿わせるようにする
お腹に力を入れ背中をまっすぐにするよう意識する
背中が丸まるなどの不良姿勢は怪我にもつながるため注意する
重りを持つ際にはなるべく体の近くを通す
初級:10回 2set(重りなし)
中級:10回 2set
上級:10回 3set
代表の並木はサッカー日本代表としてFIFAワールドカップフランス大会、日韓大会、ドイツ大会に帯同。そのほかU-23日本代表のアスレティックトレーナーとして4度のオリンピックに帯同しており、U-17ワールドカップへの帯同実績もある。
また現在までにU-19サッカー日本代表、Jリーグ、各世代のサッカーを中心に、WJBL、社会人ラグビー、ソフトボール、モトクロス、卓球、陸上、アーティストなど様々な競技や分野にアスレティックトレーナーを派遣している。
さらには講演会やセミナー、専門学校などの教育機関に講師を派遣するなど後進育成にも力を入れている。
「一人一人の健康な人生をサポートする」を企業理念として掲げ、世の中の人々の『健康』をあらゆる方向からサポートし、一人一人の「楽しく、豊かに、生き生きと」生きる、そんな『健康な人生』をサポートしている。